バイクを愛するライダーの醍醐味といったらやはりツーリングです。
颯爽と風を切りながら、知らない土地を走りその行く先々で発見できる景色やグルメに心と味覚を奪われる経験はたまらないものがあります。
今回は地元千葉県民だから知る、「千葉のツーリングスポットはここだ!」について紹介して行きたいと思います。
千葉のツーリングスポットはここだ!
冒頭の挨拶文で「紹介します!!」なんて大きく出ましたが…
実は千葉県のツーリングスポットって意外と少ないんです。
言わずと知れた関東平野と呼ばれる地形のため、県内は起伏も少なく比較的平坦な道が多いです。
さらに房総半島と言われる名のごとく県内の半分以上を海で囲われているため、他県のような高低差を楽しむワインディングロードは正直皆無です。
海岸線沿いを海を見ながらのんびり走るのも一興ですが、峠でならした玄人ライダーさん達には少し物足りない印象を与えてしまうはずです。
正直、千葉がツーリングスポットかというと…そうではない気がします。
そんな中、千葉県で唯一ライダーを満足させられる場所と言えば養老渓谷です。
養老渓谷とは
千葉県のほぼ真ん中に位置する養老渓谷は、ライダーを満足させられる数少ないツーリングスポットです。
養老川の侵食によって形成された渓谷のため、山々と自然がおりなすダイナミックな景色の中を風と一体になって走り抜ける事ができます。
平坦な県内においてここは、ある程度起伏に富んだ道や観光に適した自然豊かなスポットもある場所です。
バイクで走るのはもちろんのこと、温泉やハイキング、グルメや鉄道といった大人の遊び心をくすぐるスポットも多数存在します。
一年を通して気候が温暖のため多くの自然や渓流、大小様々な滝が存在しそれを繋ぐルートにはハイキングコースなども整備されており、ほぼ一年中楽しめるツーリングスポットです。
周囲は「千葉県立養老渓谷奥清澄自然公園」にも指定されており、山中には野生の鹿や猪なども多数生息しています。
初心者ライダーにもありがたい場所
養老渓谷に向かうには国道297号線を始め多数のルートが存在します。
一番のおすすめは、うぐいすラインを南下するルートです。
交通量も少なく森の中で風と一体になり走り抜ける感覚はライダーにしか経験できません。
道幅も広く、通り沿いにはガソリンスタンドやコンビニ、道の駅なんかもあり休憩がてらちょっと寄り道…なんて楽しみ方もできます。
女性や初心者ライダーさんなどでも安心してツーリングを楽しんでいただくことが出来ます。
もちろんライダーでなくとも長時間の運転の疲れを癒す場所としても利用可能です。
注意すべきポイント
養老渓谷は比較的初心者向けのコースですが、バイクを走らせることにおいて注意すべきポイントはどの場所においても同じです。
目的地に続く道は比較的道幅も広く見通しも良いです。よって知らず知らずのうちにスピードを出してしまいがちです。
ライダーとしてバイクに乗る以上、ルールを守っての安全運転は他人のこともさることながら、自分自身のためにも必要です。
新緑の中を気持ちよく走っているとカーブの死角から突然対向車が現れるなんてことも当然あります。
渓谷のため山からの湧き水で道が濡れていたり、秋になると落ち葉でスリップしたりと危険は潜んでいます。
その他、ここでは動物との遭遇例も数多く聞かれます。
鹿や猪、狸など…最近ではキョンと言われる珍しい動物が目撃されるのも特徴です。
夕暮れなど暗くなり初めの時などに突然車道に飛び出してくることもあるので、制動距離を長く必要とする二輪車は特に注意が必要です。
「大切な愛車がこんな姿に〜」っと、後悔しないためにも車間距離とスピードの出し過ぎには注意しましょう。
見どころ
養老渓谷は東京からのアクセスもよく、一年を通して温暖なため様々な体験ができるのが特徴です。
同じ関東圏なので他県からも多くの観光客が訪れます。日帰りでサクッと来れるのもいいですよね。
- 鉄道
- 小湊鐵道線養老渓谷駅
- 観光シーズンには小湊鉄道線・いすみ鉄道線上総中野駅からもバスが運行される
- 自動車
- 館山自動車道市原インターチェンジから国道297号、千葉県道81号
- アクアラインから圏央道、木更津東インターチェンジから国道410号、千葉県道32号
数多くの見所を備えているので、ライダーに限らず家族連れにも人気があります。
小湊鉄道(トロッコ列車)
小湊鉄道は千葉県市原市にある五井駅より、養老渓谷を走り夷隅郡大多喜町の上総中野駅までを走るローカル鉄道です。
総延長距離は39.1kmと長くはない路線ですが、四季折々の自然の中をレトロな車両で走るため小さいお子さんをお連れの家族づれや鉄道マニアの間では人気です。
18駅あるうちの3分の2以上が無人駅という所からもどれだけ田舎なのか…想像できちゃいますよね。
その中でもイベントとして走らせているトロッコ列車は、SL型の車両で牽引する窓無し客車のためダイレクトで自然を感じられます。
天気の良い日は、ところどころで撮り鉄さん達を見かけることもできます。
ただ、混雑が予想される休日などはあらかじめチケットの早期購入をお勧めします。
養老渓谷駅
養老渓谷への玄関口です。電車でトレッキングに訪れた人達はここからスタートです。
2018年より駅前を森に戻す「逆開発」が進行中のようでノスタルジックな雰囲気がたまらなく哀愁を誘います。
駅前ロータリーには川魚やイノシシ鍋なんかも食べられる小さな出店もありトレッキング前に小腹を満たすなんてこともできます。
現地で取れた新鮮な山や川の幸を堪能しながら、この後のトレッキングに向けた準備をする中継地点として大勢の人がにぎわいをもたらせている場所です。
ちなみに…「漫画・ばくおん!!」の中でも紹介されていますね。(11巻78話)
出世観音
養老渓谷に到着しまず目に止まるのが、渓谷にかかる赤の二重橋です。
養老渓谷のシンボルとも言える場所です。
出世観音、立國寺へ向かうための橋です。
このお寺は源頼朝公が関係しているらしいのですが…詳しいことは良くわかりませ〜ん。
「開運招福の観音様」「祈祷の名刹」として親しまれており、今は開運スポットとして多くの方が訪れています。
入り口の二重橋はインパクト抜群、写真映えするスポットですね。
粟又の滝(あわまたのたき)
出世観音、立國寺からさらに上流へ進むこと約5kmここ一番の目玉、粟又の滝です。
大抵の方はここを目指します。
房総一を誇る名瀑布です。100メートルにわたってゆるやかに流れ落ちる幻想的な滝です。
勢いや迫力というよりかは、景色に馴染んだ自然美の一部といった感じでしょうかね。
下流まで2キロメートルにわたって設けられている遊歩道と近隣にある6つの滝(粟又の滝、千代の滝、万代の滝、昇龍の滝、小沢又の滝(幻の滝)、金神の滝)をめぐる滝めぐりも楽しむ事がで来ます。
バイクから車に乗り換え、家族を連れて子供と水遊びなんかも楽しめる場所です。
その他、少し足を伸ばせば周辺には様々な施設が存在します。
- チバニアン
- 高滝湖
- 濃溝の滝
- 大多喜城
- いすみ鉄道
見所はたくさんあるので、1日では足りませんね。
お勧めする時期は…?
養老渓谷のおすすめの時期はやはり秋です。
温暖な地形ということと、広い範囲で紅葉が点在するため関東では比較的遅めの12月中旬まで紅葉が楽しめます。
遠方から鑑賞に来られるかたは時期を合わせて予定を立てることをお勧めしますが、その期間は交通量も多く渋滞も頻繁に発生するので注意も必要です。
11月下旬~12月上旬にかけては紅葉のライトアップなどのイベントも開催されているため壮大な滝と紅葉のコラボレーションは圧巻です。
毎年勤労感謝の日には「養老渓谷もみじまつり」も開催され流予定でしたが新型コロナウイルスの影響で2020年は中止が発表されてしまいました。
残念ですが、感染を拡大するわけにもいきません…仕方ないですね。
しかし例年通り美しい紅葉は健在です。
素晴らしい景色だけでも堪能したいと、訪れた時の参考にして頂ければ嬉しいです。
【ライトアップ開催期間】
11月下旬~12月上旬
17:00~21:30
勤労感謝の日に「養老渓谷もみじまつり」も開催されます。(2020年は中止)
近隣の駐車場
養老渓谷の近隣には民間や町営の有料駐車場が多く存在します。
エリアが広いので、目的によって利用する駐車場の場所は変わって来ます。
トレッキング、キャンプ、バーベキュー、温泉、遊歩道散策、滝の見学など様々なスポットが広い範囲で体験できるため目的に合わせた場所の駐車場を選択する必要があります。
多くの場所では砂利の広大なスペースに、現地管理者の指示に従い止めさせてもらう形が主なスタイルです。
その際、現地の管理者に対し駐車代500〜1000円程度を支払います。
バイク料金はそれよりも割安となりますので、止める場所の管理者に確認をとると良いです。
ちなみに、今回僕が動画の中で利用した町営の粟又町営駐車場では普通車が500円バイクが200円でした。
粟又の滝へのアクセスもよく遊歩道を散策にも適した場所ですが、養老渓谷や出世観音へは距離があります。
そして一番の注意点として養老渓谷周辺の道は狭く、特に11月の紅葉の時期などは大混雑します。
前もって止める場所の選定と位置確認をしておくと、余計なストレスを感じる事が軽減されるはずです。
まとめ
房総半島中央部に位置する養老渓谷は、東京から電車で最短約2時間という近さにもかかわらず、山深く自然豊かな場所のため「房総の秘境」とも呼ばれます。
休日になると多くのライダー達が訪れ賑わいをもたらせてくれている場所です。
コロナウイルスの影響で遠出がしずらくなった時だからこそ、改めて地元の良いところを再発見してみようと思い訪れてみました。
正直行くのは10年ぶりくらいでしたが、改めて良いところだなと感じさせられました。
是非、お近くの方は訪れてみてください。
お勧めします。